遠洋漁業
10隻の大型まぐろ船が世界のあらゆる海で活躍しています!
最新の技術と努力
大正十二年、創設者・濱川幸松が当地釜石に降り立ち、そこから当社の歴史が始まりました。一貫して漁業に打ち込み、地元岩手を始め、日本の漁業の礎になるよう日夜、漁業に従事してきました。
昭和九年にはじめて所有船を持った日から七十五年の歴史を迎え、昭和三十二年の法人設立から半世紀を迎えました。今、当社は新たな気持ちと揺るぎない漁業への精神で百年の未来を目標に歩んでいます。
長期航海をするマグロ船には強靭な肉体と精神が必要です。当社では古くから船員の健康を考えた居住性、海外の港ではその国の文化歴史に触れ、明日への活力にしています。また、船内を始め、航海設備等、安全に航海が出来るよう、常に最新の設備を取り入れています。陸上スタッフは漁場で働く船員たちを常にサポートしています。経営者と労働者が一体で漁業に打ち込む。それが当社の自慢です。
人と海との共生
マグロはえ縄漁法は今から二百五十年以上も前に生み出された日本独特の漁法です。その文化を育みながら長い歴史の中、熟練した多くの漁師を育ててきました。その歴史のある腕の良い漁師たちが一本一本丁寧に釣り揚げる。それがはえ縄船のマグロなのです。未成魚の小さなマグロはかからないよう、釣り針に工夫を凝らし、一定の大きさ以上のマグロを狙います。限りある海の資源を有効に活用して地球の未来を見据えながら日々、漁に従事しています。
私たちは百年先の未来まで自然のマグロと出会えるよう人と海との共生を常に考えています。「自然にやさしい漁法」、それがマグロはえ縄漁なのです。
ケープタウン
ポートルイス
シンガポール
地中海マルタ島
レイキャビック
パナマ
ジャワ島
ホノルル
ヌーメア
遠洋まぐろ船の航海を体験
遠洋まぐろ延縄漁船は、日本の港を出港すると、マグロを追って世界の海を航海します。知られざるマグロ船の航海と、操業中の一日を紹介します。
乗組員が休暇を取り、船体の整備が終わり、出港が近づくと航海に必要な燃料や食料、そしてマグロのエサになるイカ、サバ、サンマ、アジなどの積込み作業が行われます。
出漁日は大安や先勝等縁起の良い日を選んで決まる。船員の家族や大勢の関係者が船の見送りに来てくれます。船主さんや漁労長さんの挨拶の後、乾杯をしてロープが外され、出港します。
船は港を出航すると数日後から魚を獲る漁具作りや甲板部と機関部がそれぞれ操業の準備作業を始めます。目指す漁場まで二週間から一ヶ月ほど、船はその間も休みなく走り続けます。
漁場に到着すると漁労長は水温や他の船からの無線通信の状況や以前、大漁データを元に延縄を入れる位置を決めます。釣り針一本一本に餌をかけて海中へ。
縄を海に入れる投縄作業が五時間以上、三時間程仮眠をして今度は縄の揚げ縄作業が始まります。十三~十五時間もの長い時間、乗組員全員が参加します。
船が出港すると魚価や漁の具合を見て商社の冷凍運搬船に水揚げして一足先に漁獲したマグロを内地に運んでもらいます。これを「転載」と呼んでいます。
しばらくすると燃料、水や食料等が不足してきます。乗組員の体調を診てくれるお医者さんも乗っている洋上診療補給船と会合、家族の便りや補給作業。
洋上診療補給船は通称「タンカー」と呼んでいます。家族の手紙や懐かしい故郷の食料も届けてくれるので船員たちの作業も弾む。うれしいひと時です。
一年以上にも及ぶ、長い操業が終わると乗組員はゆっくりした帰航生活をします。船内の話題は久し振りに帰る故郷や家族の話に集中。海の夕日がきれいだ。
水揚げ地に入港すると早速、マグロが水揚げされます。大きな漁艙にいっぱい積まれていた魚は素早い作業でその日の夕方前には水揚げ完了、故郷の港へ。
懐かしい故郷の港へ到着。家族や関係者が今や遅しと待ち望んでいた。船が接岸、出迎えに来た家族の車に荷物やお土産、魚を積んで帰宅。長い航海が完了。